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「行けっ、吉之輔っ」
と真凛は、めぐではなく、多英の方に柴犬の仔犬をけしかける。
こっちの方が厄介だ、と判断したらしい。
ぎゃーっ、可愛いーっ、と多英が叫び、めぐが、
「こっちにもお願いしますーっ」
と懇願する。
吉之輔砲は、喜ばれているようだった。
「……あの、真凛さん、俺は?」
と連絡先を交換しているにも関わらず、まるで無視されている理が寂しく呟く。
「やはり、あちこち手を出してちゃ、影が薄くなるんじゃないですかね……?」
藤崎が、ははは……と笑って言っていた。
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