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もちろん、別れるつもりも予定もないのだが。
万が一、滝沢さんの言うように、なにかで揉め事が起こって別れかけても。
立て板に水な感じに、課長がなんだかわからない詭弁をまくし立て、結局、別れない気がする……とその様子を見ながら、萌子は思っていた。
言い切る総司に苦笑いしているめぐの横で、多英が、
「そんなこと、どうでもいいわよっ。
あんた、新しい御朱印書いてきなさいよっ。
そして、御朱印パワーで、早く私にも出世頭のイケメン様を連れてきなさいよ~っ。
ご利益あるんでしょうっ? あんたの神社っ。
そこのイケメン課長様を引き寄せたくらいだからっ」
と身を乗り出し、言ってくる。
いやいや。
だから、まず、参拝に来てくださいよ……。
この間、うちの近くでキャンプやったときにも、結局来てないですしね。
はは……と笑いながら、萌子は思っていた。
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