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昼の神は、焦っていた。夜の神へ渡す「時のバトン」を
うっかり紛失してしまったからだ。時のバトンを渡さな
いと夜は、永遠にやって来ない。そうなれば神として、
面目丸潰れである。時計界を探しても人間界を探しても
見つからない。
昼の神は、もう1度落ち着く事にした。
「落ち付け、落ち付くんだ俺。」どっかりと腰を掛け、
昼の神は、思い出そうと必死だ。
夜の神へのバトン受け渡しの時間が迫り、昼の神は、
待ち合わせ場所へ急いだ。結局いつ紛失したのか解
明できず塞ぎ込み、絶望を胸にしながら。
夜の神の姿が見えた途端に昼の神は叫んだ。何と、
夜の神の手には、しっから時のバトンが握られそ
れを嬉しそうに振っていたのだ。途端に昼の神も
嬉しくなり思わず夜の神を力一杯抱きしめた。
「どこ!?、何処にあった!?」昼の神は、その
答えが気になり仕方無かった。
「時の女神が拾ってくれたんだよ。すぐお前に渡
したかったらしんだけど、お前人間界に行って留
守だったからわざわざ俺に持ってきてくれたんだ
よ」どおりで見つからない訳だと昼の神は肩を落
としたが、バトンが見つかった安堵の方が大きか
った。
昼と夜の間の神聖な時間、昼の神の手から夜の神
の手へ時のバトンを渡す儀式も無事に終える事が
できた。
「おい、昼の神。これに懲りたら携帯買えよ!」
夜の神が見せた携帯待受画面には、時の女神との
幸せそうなツーショット写真が。それを見た昼の
神は、大層悔しがりました。
おわり
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