Episode.1 合コン

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Episode.1 合コン

朝、目が覚めたら何故か親友が隣で寝てる。 そういう事が時々ある。 なんでだろ。マジでなんで居るんだろ。 体を揺すって和哉を起こす。 「あ、おはよう」 「おはよう、じゃねぇよ。なんでいんの?」 朝なのに無駄にキラキラしている。 「何でって。嫁のベッドに夫がいても何も不自然じゃなくない?」 「嫁じゃないし!不自然だし!てか、どうやって入った!」 「んー。合鍵持ってる」 は?合鍵?何で。 そういえば大学に入る時、お互いの家の合鍵を渡しあったんだっけ。 あんま良く考えないであげちゃったけど失敗だったな。 「嫁が嫌なら番になる?」 番。それはこの世界で結婚よりも強い拘束力を持つ。 和哉は‪α‬だからΩと番になることが出来る。 だがな…。 「残念ながら俺はβなので番にはなれません」 そう!俺はβなのだ。 平々凡々に生きることが出来るβ! ‪α‬みたいに周りからの期待に応える必要はないし、Ωみたいに発情期が来る訳でもない。 平和なβ! 周りには‪α‬に生まれたかったって奴は多くいるけど、俺はβでよかった。 「んー。残念。突然変異でもしないかなー」 「しねぇよ。バカ。ほら、大学遅れるぞ」 「へいへい」
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