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「な、何するつもり?」
「んー」
いや、んーじゃなくて!
ベッドに両腕を押さえつけられて、動きづらい。
足をバタバタさせて抵抗するが、意味が無い。
「俺はβだぞ…!」
「だから何?俺からしたらβもΩもαも変わんないよ」
真剣な表情で言われ、何も言えなくなる。
和哉はふわっと微笑み、俺の手を握ってくる。
いわゆる恋人繋ぎで。
「第1段階。嫌だったらすぐ言ってね」
心臓が小さく高鳴りだす。
「第2段階」
そう言って触れるだけのキスをしてくる。
「顔真っ赤。かわい。…じゃあ次、第3段階」
また優しく唇同士がくっついたと思ったら、少し強引に和哉の舌が俺の口の中に入ってくる。
俺の舌が絡め取られてどちらのか分からない唾液が口の端から垂れる。
チュッと舌を吸われて和哉が離れていく。
「…っ!じゃあ、次!」
和哉が目を逸らして言う。
俺の腕を押さえていた右手が下の方へ下がっていく。
ズボンのファスナーに手がかかった時何をされるのかを察する。
「ちょっ…。そこはダメぇ…。怖いぃ…」
「ん〜〜!それはやばいって…」
顔は真っ赤で、目は潤んでると思う。
声も力入んなくてへにょってなっちゃった。
「わかった。無理強いはしない。もう行くね」
和哉は俺の頭を撫でて家を出ていく。
ちょっと急いでる感じがした。何でだろ。
俺は和哉が行って、頭が冷めた時にある事に気づいた。
それに気づいた俺はベッドの上で丸くなる。
「…何で半勃ちしてんだよぉ」
息子が誤作動を起こしている。
キスしかしてないじゃん。
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