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全力で萎えさせ、また気づく。
結局、俺は和哉のことが好きなのか!?
どこまで出来たら好きになるんだ?!
自分の気持ちなのに全然わかんない。
「その先輩は鈍すぎじゃないか?」
「…そうかもな」
翌日、この間も相談した友人にまた聞いてみることにした。場所もこの間と同じ所。
別にこいつが恋愛経験豊富とかじゃないけど、1番口が硬そうだからな。
ちなみに俺と和哉を合コンに誘ってきたのもこいつ。
「お前の話をまとめると、その先輩はやっぱり自分がその人を好きなのか分からないってことだろう?」
「そう。どう思う?」
顎に手を当てて、足を組み、考えてくれている友人。
なんかかっこつけてんな。
「…試してみるのはどうだ?」
「は?」
「その人と試しで付き合うんだ。仮彼女、仮彼氏、的な」
試しで付き合うか…。
でもそれって失礼なんじゃ?
和哉は俺の事を本気で好いてくれてるのに、俺は軽い気持ちで付き合うなんて絶対失礼。
「まあ、お前の好きにしたらいい。というかな、そこまで真剣に考えられるってことはそこそこの好意は持ってるってことだと思うぞ」
そう言って、立ち上がり去っていく友人。
はぁ、と息を吐いて背もたれに寄りかかると後ろから手が伸びてくる。
その手は俺の目を覆った。
「だ〜れだ!」
「和哉だろ」
俺はその手を外し、振り向きながら言う。
思った通り、和哉で後ろから話しかけてくる。
「昨日はごめんね?朝も行けなかったし」
「いや、いいよ」
「それで、わかった?瀬凪が俺のことを好きかどうか」
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