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「…ごめん。わかんない」
お試しで付き合う事は言わない。
本当に自分の気持ちが分かった時、和哉に言うんだ。
今度は俺から告るんだ。
「ん。ゆっくりでいいからね」
そう言って、頭を撫でてくれる。
俺は顔を見られたくなくて、下を向いた。
それから、数日経った。
俺は考えてはいるものの答えは出ないまま。
和哉というと、女の子に囲まれてきゃあきゃあ言われてる。
その理由は明白だ。
和哉が構ってくれるようになったから。
これ一択。
話しかけたら笑顔で返してくれて、遊びの誘いにものってくれる、らしい。
…何で!?俺が好きなんじゃないのか!?
朝も来ないし、大学では和哉と話す時間なんてない。
女の子たちで埋まってる。
あと、前なら和哉の前を通ったらすぐに駆け寄って抱きついてくるのに、今は来ない。
絶対気づいてるはずなのに。
…羨ましい。
俺にも笑いかけてほしい。
最近朝が寒い。
体温だけじゃない。和哉の熱が恋しい。
俺は鈍いから。気づくのが遅すぎた。
でも、まだ間に合う。
今、言いにいくから。
待ってろ。和哉。
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