Episode.4 クリスマス

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「んぁっ…んんッあ……かず、や、あアッ…」 強く腰を打ち付けられて頭が真っ白になっていく。 ソファーがギシギシと音を立てている。 「はっ…瀬凪…っ!気持ちいい…。瀬凪の俺に絡みついてくる…っ」 「そん、なこと…言うな、ぁ…」 ずっといいところを責められている。 俺はそろそろ限界が近くなっていた。 俺は和哉を強く抱きしめ、恥ずかしさを押し殺してねだる。 「和哉、も、むり…。さわって、おねがい…」 「うん…っ。俺もやばいっ!ほら、一緒にイこ?」 そう言って、俺のものを擦り始める。 同時に腰の動きを速めた。 「ああっ!はっ…ひぁっ……ん、」 同時に責められて腰が砕けそう。 俺のものを弄る和哉の手もスピードを速めて先端をくりくりと弄ぶ。 逃げようにも逃げれず、快感だけが溜まっていく。 「あっ…も、イく……。やっ、あ…っ…」 「俺も、イきそう…っ。瀬凪…好き、好きだよ」 「んぁっ………!!」 目の前がチカチカする。 俺の中に和哉のものが吐き出されたのがわかった。 腹の上には自分のものが溜まっている。 「はっ…あ、和哉…」 和哉は俺の中から自分のものを抜き、いつ付けたのか分からないコンドームを外してゴミ箱に捨てた。 まだ、尻がヒクヒクしてる気がする。 でも、もう体力なんて残ってない。 瞼が重く、意識も遠ざかってきた。 寝ていいよ、という和哉の声が聞こえたのを最後に俺の意識は途切れた。 カーテンの隙間から入る朝日で目が覚めた。 隣には和哉がまだ寝ている。 寝返りを打とうとしたら、尻から強烈な痛みを感じた。 いっっっった…!動けねぇ…。 仕方なく首だけを動かして、和哉の寝顔を観察する。 だんだんと寝起きの頭が覚醒して、昨日のことを思い出していくと、羞恥心でいっぱいになる。 昨日の俺、なんか変だった…! なんかずっと恥ずかしいこと言ってた…! 気持ちいいことに弱すぎるだろ、俺! クリスマスとは怖すぎる。 何か変な魔法でもかけられていたのかレベルで素直になってた。 恥ずかしさでいっぱいの俺の気持ちなど知らない和哉は小さな寝息を立てて寝ている。 今日は12月25日。まだクリスマスだ。 だから、クリスマスの魔法は有効。 今の俺はいつもの俺じゃない。 「好き」 自分でも聞こえるかどうか微妙なくらいの声の大きさでそう呟いた。
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