Episode.1 合コン

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「だるい。授業めんどくさい。飯ー!」 「飯ー!って。ほら食堂行こ」 和哉は俺の手をとって連れていこうとした。 その手を俺は振り払う。 「周りに人いるだろ。手繋ぐなよ」 「えー。恥ずかしがり屋だなぁ…」 そういうことじゃない! 確かに男同士で手を繋いでるところを見られたくないって気持ちもあるけどさ。 視線が痛いんだよ。主に女子とΩから! こいつ、自分がイケメンってこと分かってんのか? 「はいよ。日替わり定食」 「ありがとう、おばちゃん」 俺は貰った定食がのったおぼんを持って、食堂内を見回す。 空いてる席…。無いな。 「空いてそう?」 「いや、昼時だしいっぱいだな」 どうしようかと、2人で立ち止まる。 と、そこに偶然友人が通りかかった。 「お前ら、席無いの?じゃあ一緒に食おうぜ」 救いの手が差し伸べられた。 その友人と他何人かがいるテーブルに入らせてもらう。 いずれも何回か話したことのある男子生徒達。 と、何故か深刻そうに友人が俺らに話しかけてきた。 「お願いがあるんだ…。聞いてくれないか?」 テーブルに両肘をつき、手を組み、その手の上に顎を乗せて目線を外して先を話す友人。 何でこいつかっこつけてんの? 「実はな、今度合コンがあるんだ。このメンバーで、美女子の子達と…!」 「な、なんだと…」 美女子とは近くにある美麗女子大学のこと。 字の通り、綺麗な子達が沢山通っている。 しかも頭もいい。性格もいいらしい。 つまり、男(俺)が求める女子が集まる天国なのだ。 「それでだな、ここにいるのは4人。美女子の子は6人来るんだ。これがどういう意味がわかるか…?」 「まさか…。俺たちを」 「そう!一緒に来ないか?いや、来い!一緒にかわいい彼女をゲットしようじゃないか!」
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