第1話

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「ただいまあ」 わたしは家の引き戸を開けた。 でも、誰の返事も返ってこなかった。 家に誰も居ないわけではないんだ。 人の気配はあるけれど、特にわたしに注目していない。 せっかくの最初の登校日だったのになあ……。 そう思いつつも、 こんなものだろうと気づき直して自分の部屋に入っていった。 学校でも家でも、静かにするのが良いんだなあ。 家の食卓は昔ながらの和室で食べる素気のものだった。 ちゃぶ台をみんなで囲んでいるものの、 わいわいした印象は感じられなかったんだ。 みんな無言で早々と食べてしまうのだった。
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