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あのとき僕が君と出逢ってなかったら...
3年前僕は高校生だった。陰キャで彼女はもちろん、友達もいない。
そんな僕に奇跡を起こしたくれたのはたまたまであった、彼女だった。
彼女の名前は花岡沙良。僕たちは病院で出逢った。僕はおばあちゃんのお見舞
いで病院で来ていた。僕のおばあちゃんは風を引いて念の為病院に入院したの
だった。そんなとき、おばあちゃんと同じ病室にいたのが彼女だった。そう、
沙良。僕は女子とまともに喋れないから、いつも彼女の方は向かずに見てない
ふりをしていた。でも、ある時おばあちゃんのお見舞いに行くと病室におばあ
ちゃんの姿はなかった。ちょうどトイレ行ってたらしい。僕はできるだけ彼女
の方を向かずにおばあちゃんを待っていた。すると...
沙良:ねえ、君も高校生なの?
大翔:えっ?
沙良:私は高校生なんだよね。いつもこの病室に来てるよね?
大翔:うん。おばあちゃんのお見舞いに。
沙良:高校生なの?
大翔:うん。高校1年生。
沙良:じゃあ、私と一緒だ!私の名前は沙良。沙良って呼んで。君の名前は?
大翔:僕の名前は大翔だよ。
僕は自然にしゃべることができた。
沙良:大翔って呼んでもいい?
大翔:うん。
こうして僕たちは仲良くなった。
沙良:大翔って面白いね!!
大翔:そうかな?
沙良:うん。最高!
大翔:そういえばさ、僕のおばあちゃんの退院が決まったんだ。
沙良:いつ?
大翔:1週間後
沙良:良かったじゃん。でも、また一人になるなぁ。ねえ、大翔。今度はおばあちゃんのお見舞いじゃなくて私のお見舞いに来てよ。
僕は正直すごく嬉しかった。沙良に誘ってもらえて。でも照れくさくなって素直にうんとは言えなかったからできるだけ自然に言った。
大翔:いいよ。
そうして僕は家に帰った。
一人で考えてみた。そういえば沙良ってなんで入院しているんだろうって思った。
前にも気になったことはあるけど聞いちゃいけないんだろうなって黙ってた。
でもやっぱり気になる。聞いておきたい。
そうして僕は病院に行くことにした。
沙良:来てくれたんだ。ありがとう。
大翔:ねえ、沙良。なんで入院してるの?
ときが止まったような気がした。やっぱり聞かなきゃよかった。
沙良:友達にも言ってないんだけど大翔には特別に教えてあげる。私は〇〇病で、小さい頃から入退院を繰り返してる。医者の話によると寿命ももう1年もないかもしれない。
大翔:えっ
沙良:そんな真剣に受け止めないで。もうなれてるから。
大翔:なんか聞いてごめん。
沙良:いいよ。全然。私気にしてないし。
大翔:わかった。今日はとりあえず帰るね。ばいばい。
沙良:じゃあね
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