変態な僕は出逢う

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え、誰……? 声のする方に体を向ける。 ?「ほら!やっぱ中野じゃん!」 体が固まった。 「せ、専務……」 幹「専務?」 専務と言われた男は西尾 隆臣(ニシオ タカオミ)といい、僕の会社の上司だ。 専務はずかずかと歩いてくる。 隆「フード被っててよくわかんなかったけどやっぱ中野だ!」 「………」 隆「こんなところで会うなんて偶然だなぁ」 「………」 すると目の前にある整った顔が歪むように笑う。 あぁ、いつもの顔だ。 隆「てか、なんで仕事休んでんの?」 「………」 隆「あーあ、お前なんかが休むとお前の仲間の仕事がまた増えちゃうぞー?」 「……すみません」 隆「明日は皆の前で謝罪だな~。僕なんかが休んでしまってごめんなさい~って」 「……はい」 ……そう、見てわかるようにこの男はいわゆるパワハラ上司である。しかも他の社員より僕は嫌がらせを受けている。 例えば、僕だけ専務から仕事を押し付けられ、その押し付けられたものが終わるまで家に帰るなと言われたり、しかもそれはわざと家に帰れないように尋常じゃない仕事を渡してくる。 専務の顔を見たくなくてうつむいた。 隆「そういえばお前、なんでフード被ってんの?」 「………」 隆「え、黙ってるつもり?」 専務の楽し気な声から苛立ちへと変わった。 隆「あー分かった。隣の彼に自分のひどい顔を見せたくないからだ」 幹「え?」 「彼は関係ないです!」 つい大きな声を出してしまった。 でも、これに幹は関わっていない。彼は巻き込みたくない。 隆「はっ、なに本気にしてんの?……あ、もしかして、そういう関係?気持ち悪っ」 「違います!」 隆「まじかー、中野はゲイだったのかー引くわ」 「だからッ」 隆「会社で広めてやろっかなー」 「………」 もう、埒(らち)があかない…。 なんでこんな人の下で働いているんだろう。辞めたい…。 幹「別にいいですよ。俺、帝さんのこと好きですし」
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