変態な僕は出逢う

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変態な僕は出逢う

「はぁはぁはぁ……やっぱかわいいなぁ、はぁはぁ」 今は最近推している伽凛(カリン)ちゃんを久しぶりに通り見てるんだ。今は学校帰りかな? 友達と一緒に楽しそうに話してるよ。 あぁ、可愛いなぁ…。 角の陰から伽凛ちゃんにはバレないように見てるんだけど、まぁもちろん伽凛ちゃん以外の通行人には見られる訳で、 「え、きもっ」 「ねーママー変な人がいるよー?」 「こらっそんなの見ちゃダメよ」 などなど…僕に向かっての言葉があるわけですよ。 そこの坊っちゃん、将来僕のようにはならないようにね。…お母さん、「そんなの」って…さすがに僕でも傷つくよ…? ま、そんな僕は見ての通り不審者てか変態。 自覚はしてるさ。自分でもやってて気持ち悪いって思うし(笑)。 中野帝(ナカノミカド)これが僕の名前。 えっとね、年は22です。こんないいおとなが何やってんだって思うよね、僕も思う。 背は167cmで、平均よりちょーーーっと低いのかな。 顔は平凡っす、残念っす。 ただ今の格好は、黒のパーカーに普通のジーンズ。 フードは深く被ってあります。一応仕事もやってるんでね、この事がバレたら一瞬でクビだよ。 仕事のストレスでこんなことやっちゃってんだけどね。 そうなんすブラック企業なんす、うちの会社。 日を越して帰るのが当たり前。なのに出社は朝の5時。これを破ったらペナルティとして1週間家に帰れない。だから皆目の下には隈がすっごいある。僕もだけど。 それでもこの会社を辞めるわけにはいかないんだよねぇ。給料いいし。 何でこんな会社に入っちゃったんだろう…。 あ、たしか面接の時面接官達の天使のような笑みに、あ、ここホワイトかも、と思ってしまったからだった気がする。 今思えばあの人達の目、据わってたな…。 まぁそんなわけで毎日がストレスまみれで、今日は土下座までしてもらった貴重な休み。 そうなったら伽凛ちゃんに会うしかないっしょ。
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