99%の私たち

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私は烏龍茶のグラスを置き、隣で頭をぐらつかせ始めたいっちゃんに冷水のグラスを持たせた。飲めないくせに飲み会は大好きで、時々調子に乗って酒量を間違えるのだ。 「武田、好き」 いっちゃんが猫のように私へ頭をこすりつけてくる。 「はいはい。ほら、水、飲みなよ、もう」 彼の馬鹿で真っ直ぐなところが好きで、高校1年の夏からずっと付き合ってきたわけなのだが、酔っ払うとものすごく面倒くさい。 「そろそろ出る?」 上杉はへべれけのいっちゃんと自分の腕時計を見比べて苦笑した。終電時刻はまだ先だが、まもなく日付が変わるところだった。 「そうだね。明日、始発の高速バス予約してるの。式場どこにするかまだ迷ってるんだ」 私はため息をつき、グラスに残った烏龍茶を飲み干した。 「飲酒盃(いさはい)はどうせ披露宴のごちそうの試食しか頭にないんだろ?」 「さすが、分かってるなあ。うちの親もね、いっちゃんとこのおじさんもおばさんもね、好きなところにすれば?って感じでさ、もう、私がしっかり選ばなきゃ」 「武田、頼もしい、好き」 意気込む私にいっちゃんが抱きついてくる。私たちを眺め、上杉はまるでお父さんのように目尻を下げた。 「武田は偉いね、相変わらず。じゃ、今日は俺が出すわ。結婚祝いな」 上杉がテーブルの上の伝票を取り、颯爽と立ち上がる。私はバッグから出しかけた財布を引っ込め、上杉に合掌した。 「うわあ、いいの?今月やばかったから、助かる。本当、神だよ、上杉キャプテン。ごちそうさま」
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