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全てを話して時刻は昼近くまで迫っていた。
妻は口を大きく開けて呆気をとられていた。
そして、兄弟は先程まで導いていたものが父の兄だということを知って驚愕していた。
幾分かの沈黙が流れていたが次に口にしたのは妻だった。
「そっか……そうだったんだ…珍しい名字だったから、何か訳があるとは思っていたけどなるほどね!」
あまりにも明るい言葉に三人はいや父を除いて兄弟はまたまた驚愕していた。
「これはお母さんの言う通りでしたね」
「え?何の話?また隠し事?」と今度は本当に驚いてくれたようで思わず聞き返してきた。
「ああいや、昨日の夜。自分の愛した人の心は強いって言ってたから思わずね」
そう言ったら今度は妻は頬を赤く染めて照れを隠す様子に俯いてしまった。
隣で聞いていた兄弟はどういう理屈なのか知りたく祖母に聞こうとしたらお茶を机の上に静かに置いてからこう言った。
「知るのは早いよ。好きな人ができれば分かることじゃよ」
そう釘を刺されて影蠹はつまらそうに口を尖らせて目の前にある自分のオレンジジュースを飲んだ。
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