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「これ。本当にどうやって開けたの?」
「……ガチャガチャしてたら、普通に開きましたけど」
長らく祊の部屋で放置されていた寄木細工の秘密箱は、手元に戻ってきた時には、なかなかに面白いことになっていた。
それこそ。見た瞬間、矢継ぎ早に質問を投げかけたくなったくらいだ。
祓い屋人生を歩み始めて一番、愉快な出来事が起きたと言っても過言ではない。根掘り葉掘り聞きたくなる欲求を抑え込み、荒ぶりそうな精神を自制したことを褒めてほしい。
祊に手渡した時には居なかったはずの、別の何かが中に入り込んでいる。そればかりか何故か封が一度開けられて、強引だが新たな封が施されている。
紛うことなく、封を開けて。あまつさえ新しく封を掛け直したのは蒼波であるはずだが、まるっきり本人には自覚がない。
「キミが祓えない人間だと思ったから。ちゃっちゃと刀で殺っちゃったんだけど」
「そうですね。驚きました」
「憑かれた時。普段どうやって追い払ってるのかな?相手が諦めるのを待つ?それとも、じっくり話を聞いてあげるタイプ?」
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