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「で? 朝からなんで魂抜けた顔してるワケ?」
「……そんなにか?」
「コーヒーくらいなら。奢ってやらんこともないと思うほど」
「……朝っぱらから、見事な飛び込みだった」
「それは生きてる方? それとも死んでる方?」
「死んでる方」
「そりゃあ、ご愁傷サマ。大学着いたら、奢ってやるよ」
「ブラックで頼む」
うっすらと雲のかかった空は、曇ってはいるが雨は降りそうにはない。しかし、俺の心中は正反対もいいところで、今にも大雨が降り出しそうなほど、分厚い暗雲が垂れ込めていた。
朝、家を出た時には晴れ晴れとしていたはずなのだが。いったい何処でどう間違ったのか。口を開けば出るのは溜息ばかりで、思わず閉目して握った拳で額を叩く。
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