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よくもまあ、性格の正反対な二人が長年喧嘩もせず友人を続けているものだと、我ながら感動すら覚える。
極めてドライな返事を決め込む俺に物怖じもせず、ちょっかいを出して怒られるのは日常茶飯事だが、十四五年来の付き合いになってくれば、それすら挨拶のひとつになってくる。
呆れ混じりの彼の口調から推測するに、どうやらイヤホンを引っこ抜く強硬手段に及ぶ前から、何度か口喧しく声をかけていたらしい。だが、それを全力で俺は無視をした。さすがに悪かったと、思わざるを得ない。
「てか……なんつー顔してんだ」
「……どんな顔だよ」
「ん? 有り金全部、溶かした奴の顔」
「うるせえ。はっ倒すぞ」
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