ものしりドラゴン③

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おひる、プロのどろぼうが、やってきました。 「ドラゴンさん。おれはどろぼうをやめようと、おもってるんだ。こころをいれかえて、まっとうなしごとをして、みんなのために、いきていきたいとおもっているんだ。なにをしたらよいだろう」 ドラゴンは、どろぼうのめをじっとみつめました。 そしてすこしかんがえると、こういいました。 『きみがぬすんできたのは、わるいひとのたからものだね?めをみれば、わかる。きみは、とてもこころやさしいひとだ。わるいひとからぬすんだ、たからものを、まずしいひとたちに、わけあたえてきたのだろう』 「なんでもおみとおしかい。まいったな」 どろぼうは、かなわないなあ。 とあたまをポリポリかきました。 『…ぬすみを、やめるひつようはない。それはきみの、ほこるべきのうりょくだ。そののうりょくで、つぎはべつのものを、ぬすんでみては、どうだろう?』 「…なるほど。ありがとう、ドラゴンさん。ぬすむのは、たからものだけじゃないもんな」 どろぼうは、どろぼうをやめました。 かわりに、ひとびとをかんどうさせ、こころをぬすむ、すばらしいげいじゅつかになりました。
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