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おひる、プロのどろぼうが、やってきました。
「ドラゴンさん。おれはどろぼうをやめようと、おもってるんだ。こころをいれかえて、まっとうなしごとをして、みんなのために、いきていきたいとおもっているんだ。なにをしたらよいだろう」
ドラゴンは、どろぼうのめをじっとみつめました。
そしてすこしかんがえると、こういいました。
『きみがぬすんできたのは、わるいひとのたからものだね?めをみれば、わかる。きみは、とてもこころやさしいひとだ。わるいひとからぬすんだ、たからものを、まずしいひとたちに、わけあたえてきたのだろう』
「なんでもおみとおしかい。まいったな」
どろぼうは、かなわないなあ。
とあたまをポリポリかきました。
『…ぬすみを、やめるひつようはない。それはきみの、ほこるべきのうりょくだ。そののうりょくで、つぎはべつのものを、ぬすんでみては、どうだろう?』
「…なるほど。ありがとう、ドラゴンさん。ぬすむのは、たからものだけじゃないもんな」
どろぼうは、どろぼうをやめました。
かわりに、ひとびとをかんどうさせ、こころをぬすむ、すばらしいげいじゅつかになりました。
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