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ぽんぽこやまのてっぺんに、たどりついたおに。
りゅうじんさまのねどこである、たきにきました。
いきおいにのってやってきたおにでしたが、やはりりゅうじんさまは、おそろしい。
りゅうじんさまをおこさぬよう、そろり、そろりとたきのみちをあるきました。
うんがよく、なんとかりゅうじんさまをおこさずに、てっぺんにたどりついたおには、おおきな竜眼をひとつ、きからもぎとりました。
そしてふろしきにつめると、はやあしで、たきのみちにもどりました。
「うう、おっがねえ…」
おにはまた、りゅうじんさまのねどこをとおらねばなりません。
さすがのおにもおそろしくて、かえりみちは、たきをおよいでかえることにしました。
しかし、たきのながれはかなりつよく、おにのちからでも、へとへとにつかれてしまいました。
「ひい、ひい、ふう、ふう」
やっとのことで、サチのいえにやってきたおに。
サチに竜眼のみをわたしました。
「…ほら、おめえさのいってた竜眼のみじゃ。しょうぶはおれのかちじゃ。くわせてくんろ」
おにははらぺこで、もうちからもでません。
「ほうか、ではくわせてもらうぞ」
サチは、おにのもってきた竜眼のみをむしゃむしゃとたべてしまいました。
「ふー、くった、くった。ちそうになったな、おによ。ありがとう。竜眼なくなったから、またとってこんとならんな」
「そ、そんなあ~…」
はらぺこのおには、めをまわして、たおれました。
おには、にどとにんげんとはしょうぶしないと、おもいましたとさ。
おしまい
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