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次の日、ぼくは期末テストで1位になった。
来夢は2位でぼくと4点差。
来夢がミスをするはずがない。
ぼくは答案を届けると言って先生から来夢の答案用紙を受け取った。
そして気付いた。
来夢は国語の最後の自由記述問題で、まったく関係の無い答えを書いていた。
『来人くんなら、絶対にこの問題を解いてくれる。…信じてるよ』
来夢は、ぼくが先生からテスト用紙を受け取ることまでわかっていたんだ。
来夢は、最後までぼくを信じていたんだ。
永かった。
思っていたより時間が掛かった。
だけど、僕はついに来夢の病気を治す方法と冷凍した人間の回復方法を見つけた。
カプセルごしに来夢の顔を撫でる。
あの頃から何も変わっていない。
「ごめんな。最後の問題…解くのに8年掛かった。今助けるぞ、来夢」
来夢来人。
そう、僕らはあの頃から二人で一つ。
これまでも。
そして、これからも。
来夢来人 -完-
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