魔王と勇者(まおうとゆうしゃ)

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あれから数年(すうねん)()った。 あの勇者(ゆうしゃ)はあれから()(しろ)()ていなかったが、ふたたび(あらわ)れた。 どうやら、相当(そうとう)修行(しゅぎょう)してきたようだ。 以前(いぜん)より体型(たいけい)もみなぎらせている魔力(まりょく)もかなり(つよ)くなっている。 装備(そうび)もだいぶ()くなったな。 (われ)心遣(こころづか)いのたまものだ。 「また()たか…よかろう、相手をしてやる」 (われ)再戦用(さいせんよう)のセリフを()うと勇者(ゆうしゃ)(たたか)った。 「ふはは、(よわ)い、(よわ)すぎるぞ」 「く、くそう…」 勇者(ゆうしゃ)(くや)しそうに()きながらたおれた。 勇者(ゆうしゃ)はかなり(つよ)くなっていた。 どれだけ修行(しゅぎょう)()んだのか…ドラゴンスレイの(わざ)すら()()けていた。 (われ)をたおすために、ドラゴンとも(たたか)ったようだ。 …今回(こんかい)(われ)()があったが、正直(しょうじき)(つぎ)はどうなるか()からない。 だが不思議(ふしぎ)心地(ここち)よい。 いつの()か…勇者(ゆうしゃ)(われ)対等(たいとう)(たたか)いをすることを夢想(むそう)すると、それが(われ)(たの)しみにもなっていた。 (われ)はガーゴイルに(めい)じて、勇者(ゆうしゃ)(はじ)まりの(まち)(もど)してやった。
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