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「勇者よ…貴様は我の知る、どの勇者よりも勇者であった」
我は勇者の墓を立てて、そこに勇者の身体を納めた。
「そしてこの世で唯一、我と対等な人間であり、友であった…」
「魔王様…」
「いくぞ」
それからの我は、空虚であった。
大切な存在を無くした我の心は、水を失った器のようであった…。
だが…。
「魔王!」
「……!!」
勇者は再びやってきた。
あの目…溢れる闘気…間違いない、ヤツの子ども!
我は、久しぶりに胸が高鳴った。
そして我は悟った。
勇者は死せども、時代とその意志は…その子らに引き継がれていくのだと。
我はいつものセリフをいつも以上に大声で…相対した勇者に言った。
「よく来た勇者よ!さあ、存分に戦おうぞ!!」
魔王と勇者
おしまい
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