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それからさらに修行を積んだ。
魔王たんのパンツを盗むために盗賊に転職し、かっこよさを身に付けるために踊り子と遊び人をマスターし、スーパースターに転職してマスターした。
そんな修行に明け暮れていた毎日だったが、ちょっとした事件が起きた。
…俺は、結婚した。
かつて一緒に魔王軍に襲われた女…ミントと。
魔王の手下に襲われたあの時…同じ場所、同じ時を過ごしたはずなのに、それでも前に進もうとする俺の姿に惹かれた。
そして殻に閉じこもっていた自分を救ってくれた、勇者様なのだと彼女は言った。
…そして、俺は自分が村の者たちから応援されていることに気付いた。
どんなにたおされて教会に戻されても、モンスターに運ばれて棺桶に入れられているぶざまな姿を見せても、それがまわりの人間たちに勇気を与えていたのだ。
俺が出発するときには応援してくれるようになった。
子どもも生まれて、モンスターをたおして得たお金をおふくろに返し、それ以上のお金をあげた。
人としてやるべきことは、ほとんど終わったと思う。
そして…いつしか俺の目標は、本気で魔王をたおすことに変わっていった。
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