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勇者60歳ーーーーー
魔王のいる7階までの道のりで体力を消耗しすぎる…。
たどり着いた時には肩で息をし、足や腰は震えており…まるで勝負にならなかった。
ただ魔王に手で押されただけで…もう立ち上がることすら出来ぬ…。
…もう、限界なのか…?
まだ…まだ、やれる…。
まだ…我が心の刃は…折れてはおらぬ…。
魔王はいつものセリフを言った。
そして…わしの体を棺桶に納めた。
「…!!」
「目覚めましたか。ご老体に、聖霊の加護があらんことを…」
「…神父どの。失礼だが、ここはどこですかな?」
「ここはチカクの町の教会です」
目を覚ましたわしが見たのは、いつもの教会の天井ではなかった…。
そこは、魔王城にもっとも近い町の教会であった。
そしてわしは気付いた。
魔王が…わしと戦いたがっていることに。
本来ならば始まりの町に戻されるところをわざわざ魔王城から近い町の教会に送ったり、
7階あった魔王城が1階になっていたり、
ミナセユキトーンがクビになっていたり…
…魔王なりに、わしの存在を認めていてくれたのだ。
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