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ものしりドラゴン④
たかいやまのてっぺんに、ドラゴンがいました。
ドラゴンはとてもかしこくて、とてもながいき。
いろんなことを、しっています。
にんげんやどうぶつがだいすきで、たびたびくる、ひとたちのそうだんに、のっていました。
あさ、おとこのこがやってきました。
「ドラゴンさん、おかあさんが、ぼくをしかってばかりなんだ。おかあさんがイヤだから、いえでしちゃった。…ねえ、おかあさんは、ぼくのことがきらいなのかな?」
ドラゴンは、やまのしたをいちどみると、こうこたえました。
『『親』とは、木より立ちて見る者。けしてきみが、きらいなのではないよ。おもいだしてみるといい…きみがあさ、げんきよくいちにちをむかえるために、ごはんをつくってくれるのはだれか…?きみがくるしいとき、いつもてをさしのべてくれるのはだれか…?きみがひとりでないているときに、いつもあたたかくだきしめてくれるのはだれか…?おかあさんは、いつもきみをみまもっているよ。ときにきびしく、ときにやさしく…きみがにんげんとして、りっぱにいきていけるように。』
「そっか…。そういえば、おかあさんはぼくをしかったあと、いつもあまいおかしをつくってくれてた…ありがとう、ドラゴンさん。ぼく、おかあさんにあやまってくる…!」
おとこのこは、ドラゴンにてをふると、かえっていきました。
そして、なきながらおとこのこをさがしていたおかあさんにあい、ごめんなさいと、あやまりました。
ふたりは、おうちにかえって、おいしいクッキーをたべて、なかなおりしました。
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