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よる、ヨッシーくんが、やってきました。
ヨッシーくんは、いいました。
「ドラゴンさん、なんでたのしいことって、おわっちゃうの?」
ドラゴンはいいました。
『どうして、そうおもうんだい?』
ヨッシーくんは、こたえました。
「だって、たのしいことって、しあわせだし、ニコニコしちゃうから、ずっとつづけばいいのに、おわっちゃうんだもん。どうしてなのか、ボク、わかんない」
ドラゴンは、そらにうかぶ、まんまるのおつきさまをみて、こたえました。
『それなら…あのおつきさまは、ずっとそらにうかんでいたほうが、いいのかな?』
「…そしたら、あさがこないね」
『そうだね。おつきさまはそらにうかんでいるとき、ニコニコしずかにかがやいている。でも、おつきさまが、ずっとそらにうかんでいたら、おひさまがニコニコできないよね。だから、おつきさまは、おひさまとこうたいで、ニコニコしているんだ。…きっと、きみがたのしくて、しあわせなじかんがおわると、べつのだれかに、たのしくて、しあわせなじかんがやってくる。…たのしいことや、しあわせなことは、そうしてみんなでこうたいしながらやってきているのだとおもうよ…だから、おわってしまうのだろうね』
「そっか…。でも、だれかがたのしくてしあわせなら、ボクもうれしいな。」
『そうだね。わたしも、みんながたのしくてしあわせなら、とてもうれしいよ』
ヨッシーくんは、うれしくなりました。
ヨッシーくんにとって、じぶんがたのしくて、しあわせなよりも、みんながたのしくて、しあわせになってくれたほうが、うれしかったようです。
ドラゴンは、ヨッシーくんをつばさでなでると、とびあがり、おうちまでおくってあげました。
おしまい
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