ブラックボックス

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「本当の事を話してよ」 「私がいつも嘘ばかり話しているみたいじゃない」 「まるでそうじゃないみたいじゃないか」 「いいの?本当の事なんて知らない方が幸せかもよ」 「僕たちは夫婦だろう?楽しいことも苦しいことも分かち合うべきだ。違う?」 「病める時も健やかなる時もってやつね」 「茶化すなよ」 「相槌を打っただけでしょ」 「とにかく、隠し事は僕にはしないで欲しい。この世にたった1人の君の夫なんだよ」 「確かにそうね」 「納得してくれたかい?だから、君が隠していることを教えて欲しいんだ」 「本当に知りたいの?」 「知りたいとも。僕は君の全てを知りたい」 「強欲だわ。とっても傲慢だしね」 「そうさ。僕が1番君に詳しくあるべきだ。だって君は僕の妻なんだから」 「確かにそう。あなたは私の夫よね。でも私の事を1番知らないのはきっとあなたよね」 「君が教えてくれないから」 「なんでもかんでも教えて貰えるなんて、幼稚園児までの話よ」 「僕が幼稚だって言いたいのか?」 「無知だって言いたいのよ。想像力も貧困だわ」 「君はそうやっていつもはぐらかす。昨日の夜は誰といたんだって聞いてるだけなのに」
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