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ゆっくりと振り返った私の目の前に
はらりとした白いものが舞い落ちた。
思わず手を伸ばして、
その羽根のようなものを掌で受ける。
「雪」
じっと見ていたら、その掌に大きな掌が重なった。
「雪だね」
見上げたら、涙君が目の前にいた。
ずっと会いたかった、
年下のとても綺麗な心を持つ男の子。
こんなにも近くで触れ合っているなんて、
これは夢…?
「シャンパンとケーキ、
あとプレゼントもたくさん用意して来ました」
「え…?」
涙君は家の玄関の方を振り返る。
見ると、クリスマスリースを飾り付けた玄関ドアのポーチの前に大きなトランクが二つ置かれてあった。
「中に入ろ?」
そう言って指を絡め、恋人繋ぎをする涙君。
胸が高鳴る。
この温もりと高鳴りは夢じゃない。
二度と離したくないって思ってぎゅっと握り返す。
涙君は嬉しそうに目を細めた。
もう極上の嘘なんてつくものか、と思った。
「大好きだよ、涙君」
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