プロポーズ

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 家に帰った羽依は、玄関に見慣れない靴を見つけた。  父も母も今日は羽依の誕生日を祝うため、早く帰ってきている。  毎年、羽依よりも早く帰りお祝いの準備をしてくれているのだ。 (お客さん、かな……?)  そんなことを考えながら、羽依は玄関からリビングへと急ぐ。 「ただい、……ま」  帰りを告げるために開いた口から出た言葉は不自然なところで途切れた。  羽依の顔がひきつる。 「お帰り」「お帰りなさい」  見慣れた両親――そして、2人と向き合うようにソファーに座っていたのは、和だった。 「羽依さん、おかえりなさい。お邪魔してます」  にっこりと笑う和に羽依は固まる。  言いたいことは色々あるのに声がでない。 「羽依ちゃん、おめでとう。パパもママも祝福するよ」 「こんな素敵な人とお付き合いしていたのね。ママに相談してくれても良かったのに」  笑顔で声をかけてくる両親の言葉の意味を、羽依は理解できない。  クエスチョンマークが頭の上に浮かんでいる。  目がぐるぐる回りそうだった。
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