2人が本棚に入れています
本棚に追加
収集者
あれほど深くのめり込んでいた実話怪談の
収集を諦め、今私は柄にもない恋愛小説を書いている。不満はいくらでもあるが、それでもあの人の様になってしまうのよりはよっぽどましだ。あれはきっと地獄だ。一線を越えてしまったばかりにあんな事に、、、。
蒐集された話達は時間と共に奇妙な力を持ち始めた、しかしあの人はそれに気づかなかった。
ひとつ またひとつ 身の回りに不可思議な事が起こっていった。それを喜んで次々に書いていったのだ。
書いていく度に、その身を削られて最期に残されたのは たった一枚の爪、それだけだったから。
最初のコメントを投稿しよう!