収集者

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収集者

あれほど深くのめり込んでいた実話怪談の 収集を諦め、今私は柄にもない恋愛小説を書いている。不満はいくらでもあるが、それでもあの人の様になってしまうのよりはよっぽどましだ。あれはきっと地獄だ。一線を越えてしまったばかりにあんな事に、、、。 蒐集された話達は時間と共に奇妙な力を持ち始めた、しかしあの人はそれに気づかなかった。 ひとつ またひとつ 身の回りに不可思議な事が起こっていった。それを喜んで次々に書いていったのだ。 書いていく度に、その身を削られて最期に残されたのは たった一枚の爪、それだけだったから。
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