好きって、言って。

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眩しく陽光が差し込む10月の教室。 黒板の上にかけられた時計が指し示す時刻は15時30分。 カチッと長針が動いた刹那、キーンコーンカーンコーン、チャイムの音がする。 「起立」 日直が号令をかける声がする。 「さようなら」 「さよーならー」 担任の声にあわせて、それぞれがてきとうに挨拶をする。していない人も何人かいる。 椅子が引かれる音に併せてガタガタと机が揺れて、「バイバイ」と声を交わし合うクラスメイト。 いつも通り気だるげにその猫ッ毛を揺らす担任は、挨拶については何も言わずに、目の前で帰ろうとしている掃除当番の生徒の首根っこを摑まえていた。 「おい、晃汰、掃除サボんなよ」 「かっちゃん、そりゃないって、俺今日デートなのに~」 「何だよ、ムカつくな、そしたらこれも追加してやるよ」 「鬼!」
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