序章〜2人‥異世界へ旅立つ⑧

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序章〜2人‥異世界へ旅立つ⑧

      ✴︎2人の旅立ち{改済}       ※※※※※※※※※※※  要はバルロスから 、龍の里への行き方を教えてもらっていた。 「バルロス。行き方は分かった。だけど、そこまで行くにしても。やっぱ、このままの姿じゃ……」 「うむ、確かにな。なにかいい方法があればいいのだが」  バルロスと要は考えている。 「流石に今更、城には戻れないしなぁ。バルロス。……ん〜どこか一時的に隠れる場所ってないのか?」 「要、隠れてどうするつもりだ?」 「涼香が隠れてる間に、俺が街で服とかを調達してくる」 「ふむ。隠れる場所か……。あるのはあるが。その前に、お前は金を持っているのか?」 「あっ!そうだった。ハァ。じゃ、どうしたらいいんだよ」 「まったく方法がないわけではない。ただな……」 「バルロス。方法ってなんだ?」 「うむ、それはな。野宿をしながら、裏街道を行く方法なのだが。ただ要。お前が納得したとしても。涼香がそれで納得すると思うか?」 「ん〜。でも、それしか方法はないよな。涼香は、なんとか俺が説得してみる」 「ふむ。それしかないだろうな。では、そろそろ涼香と入れ代わった方が良さそうだ。要、あとは頼んだぞ」  そう言うと涼香の表情が一変した。  涼香は先程までは泣いていたが、今は泣きやんでいる。 「要。バルロスと話していたことなんだけどね」 「涼香、聞いてたのか。それなら、俺が言いたいことは分かるよな?」 「うん。野宿は嫌だけど……。でも、この姿で人前に出るのは嫌だし。私、我慢する。てか要、ごめんね」 「なんで謝るんだ?お前は、そうなりたくてなったんじゃないだろう」 「そうだけど……。もし、帰る方法が分かっても。これじゃ元の世界に帰れないし。要もしさ。帰る方法が分かったら、1人で帰っていいよ」  そう言うと、涼香は寂しそうに俯いた。それを見た要は涼香の頭に手を軽く乗せ、ポンっと叩いた。 「たくお前なぁ。らしくない事、言ってんじゃねぇよ。さてと、そろそろ行かないとな」 「うん。そうだね。ここにいても仕方ないもんね」  そう言うと涼香と要は、その場から離れ龍の里に向かった。  ♧  ♣︎  ♧  ボンゼルはその様子を物陰から見ていた。  涼香がバルロスを吸収し力を放つ直前に、ボンゼルはとっさに危ないと思いその場を離れため助かっていた。  そして、涼香たちのことが気になり様子を見に来ていたのだ。 「ふむ。まさか、あの龍神バルロスを吸収し同化してしまうとはな。これは、急ぎ王にお伝えしなくては」  そう言うとボンゼルは、その場を離れファストル城に向かった。
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