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その秀吉を10代の頃から支えてきた男がこの近江の国(滋賀)にいる。
その名は石田三成〈イシダミツナリ〉。
彼は今久々になかなか帰れていなかった居城・佐和山城に帰り着いた。
この城は他の城とは違い極めて質素であまり大名の城らしさはない。
主君の秀吉や三成の同僚の武将の城とは違い、この城の瓦には金など一切使われていない。
それに豪華絢爛な調度品も全くない。
が、幾重にも連なる櫓〈やぐら〉はどんな敵の攻撃にも耐え抜き、
高く聳〈そび〉える天守閣は
領民の平穏な生活を暖かく見守るかのように鎮座している。
高く傾斜な石垣は登りきることなどまず無理であろう。
この城を容易に攻め込んではまず直ぐに迷子になるのであろう。
もし戦が起きたとしても非常に落とすのは難しい。
この城は三成の自慢の城だ。
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