エンシェントサーガ

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 山の麓まで何事もなく、三人はたどりついた。目の前には、異様な雰囲気の山がそびえたっていて、空には異形の鳥たちがギャーギャーと鳴いている。  「私が先頭を行くわ。二人は後からついてきて。」  「わかった。斥候はまかせるぜアンジェリカ。何かあったら、すぐにしらせるんだぞ。」  アンジェリカは弓矢をかまえると、慣れた様子で山を登りはじめた。普段から山の中で暮しているアンジェリカは、二人よりも斥候にむいている。優れた視力を持つ彼女なら、隠れたモンスターも見つけることが出来るのだ。   登りはじめて5分ほどで、すぐにアンジェリカがもどってきた。  「何かの気配を感じたわ。モンスターか野生動物よ。」  バーロンは腰のロングソードを引き抜いて、  「よし俺が先頭をいく。次にベロス、お前がきてくれ。アンジェリカはしんがりを頼んだぞ。」  ベロスもバトルアックスをかまえ、うなずいた。   「もう来やがったか。バーロン後は任せとけ。」  三人は戦闘状態をとりながら、ゆっくりと岩山をのぼりはじめた。岩陰の向こうに何かの気配を感じる。おそるおそるバーロンが覗きこんだ。そこには、何かの動物の死肉にむらがり、黙々と肉を味わっている人の子供のような者が、三人見える。武器はボロボロのナイフで、死肉を切り刻んで、夢中でほおばっている。まだこちらには、きづいていないようだ。  無言でバーロンは二人に顎で合図を送った。 アンジェリカはギリギリと弓矢をかまえると、この三匹の不気味なモンスターのうち、1匹の頭を目掛けて矢を放った!  「ギャー!」  見事命中したようだ。奥にいたモンスターが仰向けにひっくり返って、そのまま動かなくなった。バーロンとベロスは素早く、残りの二体に斬りかかった!  「ギャー! ニンゲンだ! ボスに知らせろ!」  二匹は二人の戦士に敵わないとみるや、一目散ににげだした!     ベロスが叫ぶ!  「仲間を呼ぶ気だ! おいかけるぞ!」  三人は武器をかまえたまま、走り出した。岩山は鎧を着たバーロンにははしりづらく、すぐにアンジェリカに追い抜かれた。  「私が追うわ! 二人は後から来て!」  バーロンは危険だと判断したようだ。  「待て! 一人で行くな! ここでやつらを迎え撃つぞ!」  ベロスは悔しそうにしている。  「くそ! 逃げられちまった! 大軍団かもしれねぇ。何処かにかくれられないか?」  「向こうへ行ってみましょう。岩陰に隠れてやり過ごすわよ。」  アンジェリカの案内で大きな岩を見つけた。三人は岩陰に身を潜め、モンスターから隠れた。
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