夕暮れ時にごきげんよう

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 僕、奈良橋翔の一日は夕暮れ時から始まる、自宅警備員、親の介護人、色々カッコつけた言い方はあるけどぶっちゃけニート、働きたくない、ただそれだけ...... 1日のほとんどをネットゲームいわゆるネトゲで過ごし、後残り2割ぐらいをユーチューブを見て過ごす。  世の中の批判は色々知ってる。  あ、オレ45歳ね、いわゆる高齢ニートってヤツ、ネットで調べたら、死ぬしかないらしい事を書かれてて、全くその通りだと分かっているのが余計ツライ。  ハイ、親がまだ生きてるから、僕は生きてます。  でもさでもさ、始めっからこうじゃなかったんだよ、オレ、二十歳そこそこの頃は、色々やったよ、パチンコ屋の店員、BOOKOFFの店員、鳶の足場工にキャバクラのキャッチ、どれも上手く行かなかった。  人間関係がとかそれも少しはあるけど、本質違う、ぶっちゃけると仕事ができなかった、それこそ中坊や高校生でやれるような仕事も出来なかった。  だから今無職、クズだの何だの言われたって仕方ない、世の中は僕を必要としなかった、それだけさ・・・だから、同窓会の手紙がたまに来るけど関係ないから、確認もしないでゴミ箱行き、同級生になんか会うつもりありませーん。  ニートって楽に見えるだろ?みんな、みんなが必死で働いてる時に何もしないクズだって思うだろ? 実は楽どころか、毎日恐怖と闘ってるんだ。  だって父さんが死んだら、後はどうなるか、想像すらするのが怖いんだ。  ホントはね、普通に働いて、普通に彼女を作って結婚して、そんな生活したかったよ。  そんな事を考えていると、目を覚ましたばかりの僕の目に夕焼けが突き刺さって涙が出てくる。  ホントは惨めなんだよツライんだよ。  近所の人たちがどういう目で見てるか知ってる。  同級生も、ウワサで知ってるだろ、同窓会なんか出たら、会話できないよ、必ず仕事の話しでるもの、人前に出れない、いつしか僕はこの六畳の部屋から一歩も出れなくなった。  夜3時過ぎに寝て、また明日夕方5時ごろに起きる。  昼と夜の間に僕は眼を覚ます。  今日も父が生きていることを確認して、安心するんだ。
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