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「一生懸命生きてる…俺を気にしてくれてるのもわかったから、人形になんてとっくにするつもり無かった…。でもさ、だからってペット扱いなんかして俺、悪かった……」
レイさんは泣きながら、下を向いたまま言った。
「……知らなかったんだ…。ずっと、人間は俺達より下等だって、教えられて育ってきた…。だから、言葉が通じてても自分より下だと思ってて……。お前と暮らして、クォーツと話をしてるうちに分かったんだ…。」
レイさんはこれまでのことを話してくれた。
レイさんは魔界でも生まれつき魔力が弱く、レイさんは王族であっても下等な扱いを受けてきたらしい。
王家の名誉で結婚する相手を見つけるために、レイさんは高貴な姫たちの相手もさせられていたという。下等扱いで結婚は難しいと、気に入られるためだけに……
それが嫌で、自分の居場所を見つけるため、城を出たレイさんは地上界に来た。
一人きりの寂しさに耐えられず、昔に聞いた『人間を人形に変える方法』を試そうとしたけれど、私の前に捕まえようとした人は私のようにはいかず、相手はすぐに逃げようとしたため、記憶を消してすぐに逃したそう。
そのあとは人間に簡単に見つからないように、建てた家を隠したまでは良かったけれど、魔力はすぐに尽きかけ、昼間は魔界にこっそり戻る毎日。
まともに生活することももちろん出来ず、食べるものもなくて彷徨っていた時に、クォーツさんと出逢ってアルバイトをさせてもらうようになったらしい。
「アルバイト、ってのは、魔界戻ったときに魔石探しと、夕方前に人間たちのとこにポスティング、あとはクォーツの店の掃除と手伝い。」
(…人間らしいアルバイトもしてたんだ…)
レイさんは人形が諦めきれず、その後ずっと探して見つかったのが私だったらしい。
「クォーツは俺が王族なのも知ってたから、気を利かせて金額は少し多くしてくれてるらしいんだ…。だから飯代もお前の服も、手に入れた人形用にと思ってその金で買ってた…」
「私のための…?」
それを聞いてレイさんは照れたらしい。少しヘラッと笑った。
「…服…お前に着せ始めたら夢中になっちゃった…。あんなに似合うとは思わなくてさ……」
(私のために、服もご飯の材料も……)
「…お前…俺のために人形らしくしてくれたんだろ……魂が強くなったり弱くなったりして、お前が苦しんでるのがわかったんだ……ごめんな……」
「レイさん……私……」
「もうしない…苦しめたりしない……悪かった……。だから……」
私は彼の腕にすがりついて泣いた。
「居させて…レイさんといたいの……私…空っぽでいたくないよ……レイさんのおかげで私、楽しいとか嬉しいとかわかったの……レイさん、好き……」
「良かった…俺も大好きだよホタル……でも俺…人間と同じに生きていきたい…それでもいいか……?」
「王子様でも魔族でも、レイさんが人間になっても私、レイさんがいい…!!私をかわいいって言ってくれるレイさんがいい…!」
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