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…お茶会からの、帰り道。
イツミちゃんと、私と…ゆるやかな坂道を下っている。
でも…頭の中には。
さっきまでの会話が…残っていて…。
だから…私は。
イツミちゃんへと…尋ねている。
そう。
イツミちゃんの知っている…『アリス』のことを。
すると…そのひとは。
やっぱり…?
澄ましたような…表情のまま?
「パパにね、聞いたことが、あるのだけれど」
…と?
「昔の学校にはね、『鏡』はね…あんまり無かったんだって」
…え?
イツミちゃん…?
何を…言っているの?
イツミちゃんは…続けている。
「だって、女の子が集まっちゃうし…それに、割れたら危ないでしょ…?」
とか…イツミちゃん…?
何のはなしを…?
「でも…私の中学には、『鏡』はたくさんあったんだよ、…教室にも、廊下にも、階段の上にも、下にもね」
と…イツミちゃんは。
そう言えば。
…私の中学にも。
あちこちに…それは、有ったような…。
そう。
教室にも。
廊下にも。
階段の上にも…下にも。
合わせ鏡になっていた、そんな場所でさえ…あちこちに、あったような…。
…そして。
今、私たちの通う…高校でも。
『鏡』は…至るところに。
それを…ふしぎと感じたことは…今までは、なかったけれど…。
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