出席番号…『A』

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「そして、ね? 以前にはね、色々と…居たのよ」 と…? …イツミちゃん? だれのはなしを…? 『居た』とは…だれが居たの…? 「…そう、良いモノも、悪いモノも…目に見えない存在が…色々とね」 と…? ねえ…イツミちゃん…? さっきから…あなたは、何を…? イツミちゃんの言葉は…続いている。 「そういう…あやふやなモノって…子供たちにとっては、とっても…怖いものだったよね」 「…でもね」 「反対に考えれば…そういうモノは…子供たちに、正しいことをさせる、悪いことをさせない、そのための…戒めような役目も、果たしていたのじゃないのかな…?」 と…イツミちゃん。 ひとりごとを…呟くように。 「でも…目に見えないモノの存在なんか…今は、だれも…子供でさえも…信じてなんかいないよね?」 「でも…ね?」 「そういう存在はね…きっと、必要なの」 と…イツミちゃん。 中空を…見上げながら。 ねえ…? なにを…見ているの…?
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