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飲み物を買いに自動販売機へ向かおうと席を立つと、五十嵐が俺も一緒にとついてくる。
「課長から聞きました? 」
「うん。従兄弟なんだってね」
「はい。小さなころから兄弟のように仲が良くて。だからエン兄のことを知ってくれる人が一人でも増えて嬉しいです」
一ノ瀬を大切に思う気持ちが伝わってくる。
五十嵐にしてみたら、周りの一ノ瀬に対する態度が気になっていたのだろう。
「エン兄って、課長のことをそう呼んでいるの?」
「はい。 俺のもう一人の兄だと思っているので」
とほほ笑んだ。
「可愛いよなぁ。俺も昔のように拾ちゃんて呼ばれたい」
後から突然言われて驚いて振り向くと、そこに立っていたのは先輩の十和田だ。
「な、いつからいたんですか!」
と五十嵐が十和田に噛みついた。
「円が『課長から聞きました?』って話しているところから」
全部聞かれていた。というか、それだけではない。昔のようにということは、二人は知り合いだったということか。
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