96人が本棚に入れています
本棚に追加
登校途中、飛行機の音に空を見上げた。
午後一って言ってたか?
昨日途中から海音も諦めたのか連絡もなかったし。
菜々からもない、それでいい。
またいつか、だ。
またいつか出会ったら、その時は、オレ。
飛行機雲にため息をついた、瞬間。
「周、オハヨ」
校門の前にこやかにオレに手を振るアオイ、拓海、そして海音の姿が目に入った。
嫌な予感がしてやつらの横を足早にすり抜けようとして。
「じゃあ、行こうか、菜々見送りに」
右腕に拓海、左腕にアオイ、背中に海音。
捕まった。
「離せって、オイ」
拉致られて今来た道を戻り出す。
「お前らいい加減にしろよ」
そんなオレの言葉に耳など貸さないヤツらは空港行きの高速バス停までオレを連れてきて。
「最後くらい皆で見送ってあげようよ、周」
何もかもわかりきったような顔をした拓海にそう言われてしまったなら腹を括るしかなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!