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 鋭い胃の痛みに思わずしゃがみ込んだ。胃袋をギリギリと締めつけるような痛みだ。額には脂汗が滲み出てくる。  道端で突然しゃがみ込んだ中年男の脇を、通行人は避けるように通り過ぎていく。無理もない、今日は金曜日だ。酔っ払いと間違えられたのだろう。でも吐くほど飲むような時間には、まだ早すぎる。  ここは快速の止まらない小さな駅で、駅前にはスーパーとコンビニしかなくて居酒屋も飲食店もない。金曜日の夜に駅前を通るのは地元住民くらいだが、それでもいつまでも道端にしゃがみ込んでいたら通行人の邪魔になるだろう。俺は胃のあたりを手で押さえながら体をくの字に曲げて、駅前通りから一本裏の路地に入った。  喫茶店やファストフード店でもあればちょっと座って休めるが、この町にはあいにくそんな気のきいたものはない。それに、どこかで休むくらいならさっさと家に帰った方がいい。  そんなことを考えながら胃痛が治まるのを待っていると、少し離れた場所に見慣れない建物を見つけた。レストランのようだが、何だか違和感がある。  近づいてみて、その違和感の原因がわかった。何もかもちぐはぐなのだ。
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