ある日の放課後

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前まではゲームの話やマンガその他くだらない話がほとんどだった俺たちの会話にこいつの彼女との惚気話が入るようになった。 初めて抱いた、「嫉妬」。 その「彼女」というポジションがほしいって思ってしまった。 彼女じゃなくて彼氏になるんだろうけど。 「たく、ほったらかしてるといつか振られるぞ」 「くそイケメンめ。恋愛上級者ぶるなよ」 頭上からそう文句を言われる。 こいつは俺より5センチほど背が高い。 「…そんなんじゃねーよ」 恋愛上級者なんかじゃない。 どうやら俺は背は低いが人より容姿が優れてるらしくモテる。そのせいでこいつには恋愛上級者だなんて思われているみたい。 実際は誰とも付き合ったことすらないのに。 「ほら帰るぞ」 すると突然俺の手を握ってきた。 人の気もしらないで…。 そのままズカズカと廊下を進んでいく。 何人かにチラチラと見られる。 「こ、こういうことは彼女だけにしてやれよ」 やめろよ。 目立つだろうが。 …期待しちゃうだろうが。 そのまま歩き続けて、着いたのは人気のない部室棟の廊下。
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