ある日の放課後

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「好きです、付き合ってください!!」 放課後の体育館裏。 俺の目の前には少しおめかししたような女の子。 「ごめん」 何度目かわからないこのやり取り。 帰りの下駄箱のラブレター、バレンタインのたくさんのチョコレート、そして告白。 どの愛も、俺の求めてるものとは違うんだ。 だから、1度も「はい」と答えたことがない。 俺が欲しい愛はどれも違う。 絶対手に入らないんだ。 「相変わらずおモテになりますなぁ」 教室に戻ると、俺と帰るために待ってくれていたごく平凡な男子生徒がそう言ってきた。 俺の幼なじみ、そして俺の初恋。 家が隣同士で産まれた病院、幼稚園、小学校、中学校、ずーっと一緒だった。 小さい頃はこれがずっと続くものだって信じて疑わなかったから、このままでいいって思ってた。 叶うなんて思ってなかったし、引かれるの嫌だし、告らなくてもずっと一緒にいれるならこのままでいいって思ってた。 でも。 「いいのかよ、彼女ほったらかして」 「…ん、大丈夫」 一ヶ月前、こいつに彼女ができた。
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