第三章 事件のはじまり

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 ソラがパッケージの製造元を確認すると、有名な製パン会社の名前が印字されていた。  買い物かごをとったソラは、お試しのつもりで食パンをかごに入れる。 「ソラー、新商品あったよー!」  いつの間にか隣りにいた夏世が、ソラの持っていたカゴにアイスを3つ追加した。 「いや、3つは食べ過ぎ! お腹壊すよ!?」 「2つは夜深ちゃんと半分こするし!」  ツッコミを入れたソラに、夏世は唇を尖らせる。  2個でも食べ過ぎだと思ったソラだが、小さくため息をつくだけだ。 「おにい、これも一緒にいいかな」  一方の夜深は、断ってから消しゴムとシャー芯をソラの持っていたカゴに入れる。  その時、カゴの中にアイスが3つ入っていた事に気付き、顔を引きつらせた。  カゴを持ったソラがレジに並ぶ。  お金はソラの財布から出した。  水守姉妹の分は、後ほど夜深がレシートを見て精算するようだ。 「帰りながらアイス食べよー」  コンビニを出るやいなや、夏世は袋から1つのアイスを取り出して開けている。 「はい、夜深ちゃん」  2本入りの片方を夜深に渡し、夏世はアイスを食べ始めた。  受け取った夜深も躊躇いがちにアイスを口にする。  家が見えてきた頃、夏世のスマートフォンの通知音が鳴った。  立ち止まり、画面を確認した夏世は青ざめる。 「夏世?」  様子がおかしい彼女に声をかけるソラ。    
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