第二章 生徒会長の秘密

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 夏世は『体育会系の部活だから上下関係が厳しいって思われてるのかも』と言っていたはずなのに。 「悪いうわさがあるから、生徒会長もたまに顔を出して部活の様子を見てるらしい」  知らない事実が次々と出てきて、ソラは頭を抱えたくなった。 「生徒会長と言えば、同じ電車だったよな。何か今日はピリピリした雰囲気だったけど」 「あー、確かに。普段は女子グループの中心にいるのに今日は一人だったし」  二人の会話を聞いたソラは、昨日の夜、夜深と話したことを思い出す。  生徒会長、並木明香にある、二重人格のうわさ――もしかしたら、彼女には何か秘密があるのかもしれない。 「そう言えば、君島は生徒会長に告白したの?」  栗原から不意打ちで疑問を投げかけられて、ソラは固まる。  ソラが明香に片想いしていることは、友人の間でも有名らしい。 「あー、その様子だとまだ?」 「余計なお世話だよ」  二人から向けられた冷やかされるような視線に、ソラは悪態をつく。  初恋の少女に似ているから――という理由で明香に想いを寄せていることを彼らは知らない。  幼馴染みである夏世や夜深でさえも、ソラの初恋は知らないはずだ。 「告っちゃえって。意外とオーケーもらえるかもよ?」  要がソラの背中を叩く。   「もし振られたら、この三人でラーメン行こうぜ。奢ってやるよ」  栗原も背中を押すように声をかけてきた。 
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