第二章 生徒会長の秘密

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 二人は別にソラの告白を強要しているわけではない。  難しく考えず、思うように行動してみたらいいと言っているのだ。 「ラーメンって……」  思わず笑い出すソラ。  そんな彼を見て、友人二人も笑った。 ↑↓↑  ソラの初恋は、小学校に上がる前……幼少時に入院していた病院で出会った少女だった。  当時の記憶はおぼろげで、彼女の名前も思い出せない。  唯一、ソラが覚えているのは退院前に彼女が見せた笑顔だった。  名も知らぬ初恋の少女の面影がある、生徒会長。  ソラが彼女に抱いているのは、恋心というより強い憧れのようなものだ。 (告白はしないけれど、一度先輩と話してみよう……)  その日の放課後、ソラは明香と話をするべく生徒会室に向かった。  傾き始めた夕陽が差し込み、廊下はオレンジ色に染まっている。  窓の外では、運動部の生徒たちが部活動に勤しんでいた。  ――生徒会室。  教室のプレートを確認し、ソラはドアをノックする。  しかし、返事はなかった。   「失礼します」  少し迷ったソラだが、声をかけてドアを開ける。  焼けるような赤い夕焼けに向かうよう、窓の外を眺めている人影が目に入った。  腰まで届く長い黒髪の女生徒は、桜高で一人しかいない。 「並木先輩」  名前を呼ぶと、彼女はゆっくりと振り返る。  並木明香はソラを見て小さく口を開く。
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