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話題をそらすことに成功したソラだが、疑問が残る。
「うわさになるくらい、頻繁に入れ替わってるんですか……?」
ごく偶になら、気のせいだと思われるはずだ。
それが流行り出した七不思議と並ぶうわさになるくらいなら、相当な回数なのではないか。
「あははー」
当の本人は笑って誤魔化す気のようだ。
影武者のような扱いを受けている彩香の方はと言えば、やれやれとため息をついている。
「明香は重度のオタクなのよ。ゲームも漫画も発売日に並んで買わないと気が済まないタイプ。その度に駆り出される私の身にもなってほしいわ」
「そういう彩香だって、私が買ってきた漫画を読んでるじゃない」
何やら姉妹喧嘩が勃発しそうな雰囲気になってきた。
「それとこれとは話が別でしょ」
ピリピリした雰囲気になり、ソラはどうしたらいいのか分からず立ち尽くす。
水守姉妹の喧嘩はだいたい夜深が折れて終わるのだが、並木姉妹の喧嘩は終わりそうもない。
二人を止めるべきか、そっと帰ってしまうべきか――ソラが悩んでいると、下校時間を知らせるチャイムが響いた。
「えっと、じゃあ、僕はこれで」
「ちょっと待ってください!」
帰ろうとしたソラの背中に明香が声をかける。
「私の秘密を知ってしまったソラ君にお願いがあります。明日の放課後、また生徒会室に来てください。約束ですよ!」
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