第二章 生徒会長の秘密

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 話題をそらすことに成功したソラだが、疑問が残る。 「うわさになるくらい、頻繁に入れ替わってるんですか……?」  ごく偶になら、気のせいだと思われるはずだ。  それが流行り出した七不思議と並ぶうわさになるくらいなら、相当な回数なのではないか。 「あははー」  当の本人は笑って誤魔化す気のようだ。  影武者のような扱いを受けている彩香の方はと言えば、やれやれとため息をついている。 「明香は重度のオタクなのよ。ゲームも漫画も発売日に並んで買わないと気が済まないタイプ。その度に駆り出される私の身にもなってほしいわ」 「そういう彩香だって、私が買ってきた漫画を読んでるじゃない」  何やら姉妹喧嘩が勃発しそうな雰囲気になってきた。 「それとこれとは話が別でしょ」  ピリピリした雰囲気になり、ソラはどうしたらいいのか分からず立ち尽くす。  水守姉妹の喧嘩はだいたい夜深が折れて終わるのだが、並木姉妹の喧嘩は終わりそうもない。  二人を止めるべきか、そっと帰ってしまうべきか――ソラが悩んでいると、下校時間を知らせるチャイムが響いた。 「えっと、じゃあ、僕はこれで」 「ちょっと待ってください!」  帰ろうとしたソラの背中に明香が声をかける。 「私の秘密を知ってしまったソラ君にお願いがあります。明日の放課後、また生徒会室(ココ)に来てください。約束ですよ!」
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