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「もしかして、並木先輩のうわさについて突撃したの?」
「そんなわけあるか!」
夜深に続いて夏世が真剣に聞きてくるので、ソラは思わずつっこんだ。
「先輩とはちょっと話をしただけだよ」
「ふぅん?」
水守姉妹の視線が冷たくなった。
「先輩だけのことじゃないからまだ何とも言えないだけだって。深い意味はないから」
ソラの言葉を聞いた夜深が「あっ」と声を上げる。
「おにいも生徒会に勧誘されるんじゃないかな。生徒会長さん、次の生徒会役員の候補を探していたし」
明香から生徒会への勧誘を受けていた夜深。
ソラも同じように勧誘されたのではないかと予想する。
「えー、ソラが生徒会で帰りが遅くなるとご飯も遅くなりそうじゃん」
夏世の心配はソラではなく、夕飯だった。
普段通りに戻った二人の様子に、ほっと息を吐きながらソラは冷蔵庫からコーヒーゼリーを取り出した。
「先輩に生徒会室に呼び出されたから、明日は帰りが遅くなるかも」
手作りのコーヒーゼリーを二人の前に置きながらソラが言う。
「むー、遅くなるなら何か間食できるもの用意しておいてほしいんだけど」
「夏世ねえ、おやつを食べすぎるとご飯食べられなくなるよ……」
水守姉妹はスプーンを手に取り、コーヒーゼリーをつつく。
コーヒーゼリーを食べながらもおやつを要求してくる夏世に、ソラは大きなため息をついた。
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