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「マフィンを作っておくよ」
ソラの提案に夏世は満足気に頷く。
デザートの皿も片付け終わり、水守姉妹は隣の自宅へと帰っていった。
↑↓↑
翌日の放課後、ソラは明香の呼び出しに従い生徒会室を訪れた。
昨日同様、他の生徒会役員の姿はなく明香が出迎えてくれる。
「お待ちしていました。とりあえず、座ってください」
促されて席についたソラに、明香は冷蔵庫からパックのコーヒー牛乳を取り、差し出した。
「ありがとうございます。冷蔵庫、あったんだ……」
ソラは教室の隅に佇む冷蔵庫の存在に気づかなかったらしい。
「ふふ、私が生徒会役員になった年に学校側に購入してもらったんです。遅くまで生徒会活動をしているから、ジュースをすぐ飲めるようにって先生方が」
明香が胸をそらしながら説明する。
どうやら、先生方を説得して設置してもらったようだ。
ソラの向かいの席に座り、明香はフルーツオレの紙パックにストローを挿す。
「あ、これ、良かったら」
フルーツオレを飲む明香の前に、ソラは手作りのマフィンを出した。
ラップで包まれただけのマフィンを受け取り、明香はまじまじと見つめる。
「これ、ソラ君が作ったんですか?」
聞きながらラップを外し、マフィンに口をつける。
一口、二口……あっという間に明香はマフィンを食べ終えてしまった。
「美味しかったです」
「それは良かったです」
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